生き盆

生き盆

いきぼん

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意味・由来

「生き盆(いきぼん)」は、お盆の時期に生存している両親や高齢者を敬い、ご馳走や贈り物を届けて長寿や健康を祝う風習のことです。俳句では「生身魂(いきみたま)」の傍題としても親しまれています。本来のお盆は亡き先祖の精霊を迎えて供養するものですが、それと対比させて「現世に生きている親や尊い命」に感謝を捧げるという、日本人の温かな家族愛や孝心の文化から生まれました。

この季語で詠むコツ

亡き人を偲ぶお盆の厳かな雰囲気の中で、現に生きている親族と顔を合わせる温もりや、年老いていく姿への切なさを捉えるのがポイントです。単に「元気でめでたい」と祝うだけでなく、老いた親の手足の細さ、白髪、穏やかな笑顔など、具体的な身体の描写や日頃言えない感謝を滲ませると、しみじみとした深い実感が表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 身体・仕草:白髪、手の甲、背中、坐す、笑み、酌む
  • 暮らし・盆の品:手土産、食卓、仏壇、迎え火、風鈴
  • 心情:労り、健やか、老い、安らぎ、尊し

生き盆」の俳句例 (3件)

生身魂妻の髪切る夜もありぬ
石田波郷【現代語訳】生身魂を迎える盆の季節、病の床にあって妻の伸びた髪を切ってやる静かな夜があった。【鑑賞】長期の闘病生活を送った波郷が、献身的に看病してくれる妻への深い感謝と情愛を、髪を切るという日常の細やかな動作を通して詠み上げた名句です。
生身魂はや死に顔を具へたる
三橋敏雄【現代語訳】生きて盆を迎えている老人だが、その顔つきにはすでに来たるべき死者の相貌が宿っている。【鑑賞】老境にある人間の生の儚さと、生と死が隣り合わせである盆の季節の本質を、鋭い観察眼で捉えた緊張感のある一句です。
健かなる生身魂こそ尊けれ
高浜虚子【現代語訳】健やかに生きている親や高齢の姿こそ、何よりも尊くありがたいものである。【鑑賞】亡き先祖を供養するお盆において、目の前で元気に生きている生身魂の存在のありがたさを、力強く率直に讃えた虚子の代表的な句です。

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