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「縑瓜(へちま)」は、一般的には「糸瓜」と書かれるウリ科の蔓性一年草で、秋の季語です。熱帯アジア原産で、江戸時代初期に中国から渡来しました。繊維が発達して布の「縑(かにつ・きぬ)」を思わせる質感を持つことや、かつて「糸瓜(いとうり)」が転訛し、いろは順で「と」が「へ」と「ち」の間にあることから「へちま」と呼ばれるようになったという洒落っ気のある説も知られています。晩秋には実が長く垂れ下がり、実から採れる「へちま水」は咳止めや化粧水として重宝されてきました。
ぶらりと力なく垂れ下がるユーモラスな形や、蔓が棚を覆う素朴な生活感、そして晩秋の枯れゆく寂寥感が大きな鑑賞のポイントです。また、病床の咳止め薬として使われた背景から、病や老い、日々の暮らしの哀歓を託して詠まれることも多くあります。「ぶらり」「のんびり」といった長閑な佇まいと、秋の深まりゆく哀感が同居する独特のペーソス(哀愁)を掬い取るように描写してみましょう。
・形状や動作:「ぶらりと」「垂る(たる)」「揺るる」「太る」 ・生活や道具:「棚」「水」「薬」「庭下駄」「軒端」 ・情景や感情:「日ざし」「夕暮」「静けさ」「病」「老い」
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