初滑子

初滑子

はつなめこ

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意味・由来\n「初滑子(はつなめこ)」とは、秋になってその年初めて収穫された、あるいは食膳に上ったナメコのことです。ナメコは晩秋、ブナやトチなどの倒木や切り株に群生するモエギタケ科のキノコで、独特の強いぬめりと心地よい歯ごたえが特徴です。古くから山里の恵みとして親しまれ、初物としての喜びや季節の巡りを実感させる季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に「滑子」と詠むよりも、「初」という冠が付くことで、待望していた旬の味覚に出会えた新鮮な喜びや、深まりゆく秋への感慨が強調されます。ナメコ特有のつややかな照り、ぷるんとしたぬめり、舌触りや喉ごしなどの感覚を生き生きと描写するのがコツです。また、味噌汁の立ちのぼる湯気や食卓の温もりと対比させることで、寒さが増す晩秋の空気感を効果的に演出できます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・食卓や調理の情景(味噌汁、椀、箸、小鉢、湯気、土鍋)\n・触覚や視覚の描写(ぬめり、つるりと、光る、琥珀色、冷え)\n・山里や自然の風土(山の水、深山、木杓子、夕餉、雨)

初滑子」の俳句例 (3件)

初滑子椀の底より掬ひけり
角川源義【現代語訳】今年初めてのナメコが入った温かい汁物の椀から、沈んでいたナメコを底から箸ですくい上げた。【鑑賞】味噌汁の椀の底からナメコをすくい取る、日常の何気ない動作に初物を味わう喜びが凝縮されています。ぬめりゆえに椀の底へ沈むナメコの特徴を的確に捉えた、親しみ深く温かみのある句です。
初滑子洗ひあふるる山の水
柴田白葉女【現代語訳】その年初めて採れたナメコを洗っていると、澄んだ山の水が清らかにたらいから溢れ出していく。【鑑賞】採れたての初滑子のぬめりと、滾々とあふれ出る冷たい山の水の対比が鮮烈な一句です。自然の豊かな恵みと、晩秋の山里の清冽な空気感が余すところなく捉えられています。
初滑子つるりと昏れぬ山の宿
桂信子【現代語訳】山宿の夕餉で初滑子をつるりと喉へ流し込むと、あっという間に外はとっぷりと暮れてしまった。【鑑賞】ナメコ独特の滑らかな喉ごしの「つるり」という感触を、秋の日の急速な暮れ方に重ね合わせた巧みな表現です。山深い宿の静寂と、季節の移ろいの早さが鮮やかに印象づけられます。

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