花火見

花火見

はなびみ

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意味・由来\n「花火見(はなびみ)」とは、夜空を彩る花火を見物すること、あるいはその見物人のことを指す季語です。現代では花火といえば真夏(7月〜8月)のイメージが強いですが、陰暦では秋(初秋〜仲秋)の季語に分類されます。江戸時代の隅田川の川開きなど、水辺で涼を求めつつ夜空を見上げる風流な行事として定着しました。単に花火そのものの美しさだけでなく、花火を見上げる人々の姿や賑わい、そして花火が消えたあとの余韻や哀愁までを包み込む情趣豊かな季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n光の華やかさそのものよりも、「見物している人間側の心理やドラマ」に焦点を当てると深みが出ます。大勢の群衆のざわめき、花火を見つめる大切な人の横顔、あるいは花火が終わって家路につく人々の寂しげな背中など、人間模様を描き出すのがコツです。また、川風の冷たさや夜の闇といった周囲の環境とのコントラストを意識すると、秋の季語らしい風情が際立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・水辺や船(屋形船、川波、岸辺、橋の上など)\n・光と影(夜陰、提灯、団扇、横顔など)\n・余韻を表す言葉(静もり、散り際、引く波、帰り道など)

花火見」の俳句例 (3件)

花火見に客の去りたる広間かな
高浜虚子【現代語訳】花火見物のために客たちが皆出払ってしまい、広間にはぽっかりと静けさだけが残されていることだ。【鑑賞】宴席にいた大勢の客が花火を見るために外へ出ていき、残された広間の広さと静寂が鮮やかに描かれています。花火の華やかな喧騒を直接描くのではなく、人が去った室内の静けさを通して花火の存在を際立たせる虚子らしい巧みな視点の一句です。
花火見の帰りの船の暗さかな
正岡子規【現代語訳】花火見物を終えて帰る船の中の、何とも言えない暗さと静けさであることよ。【鑑賞】打ち上げ花火の目もあやな閃光と賑わいが終わり、水面を滑る帰りの船内を包む暗闇を捉えています。先ほどまでの華麗な光景との落差により、秋の夜の寂寥感と心に残る余韻が見事に表現されています。
花火見のうしろ姿の母若し
久保田万太郎【現代語訳】花火を見上げている母の後ろ姿を見つめると、不思議と若々しく感じられることだ。【鑑賞】夜空に咲く大輪の花火に夢中になって見入る母の背中を、優しく見つめる作者の温かな視線が感じられます。光に照らされる母の後ろ姿に一瞬宿る若々しさと、下町情緒あふれる哀愁が胸を打つ名句です。

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