白山蓬

白山蓬

はくさんよもぎ

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意味・由来

白山蓬(はくさんよもぎ)は、本州中部以北の高山帯の岩礫地や草地に自生するキク科の高山植物です。加賀の名峰・白山で最初に発見されたことからこの名が付けられました。晩夏から初秋にかけて、シルバーがかった細かく裂けた葉の間から、淡い黄色の小さな頭花を密につけます。強風や寒風が吹き荒れる厳しい高山環境に適応し、草丈は低く、這うように力強く群生するのが特徴です。

この季語で詠むコツ

山岳の厳しい自然環境と、その中でひたむきに生きる植物の生命力を対比させることがポイントです。平地に生える一般的な蓬(春の季語)と異なり、高山特有の冷気や吹きすさぶ風、霧、荒々しい岩肌など、高山ならではの視覚的・触覚的要素を盛り込むと、白山蓬の凛とした佇まいが際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・稜線、尾根、岩肌、ケルンなどの山岳用語 ・烈風、霧、雲海、砂礫などの高山の厳しい気象・地勢を表す言葉 ・銀葉、微小、這ふなどの植物の形態的特徴を捉えた表現

白山蓬」の俳句例 (3件)

白山蓬風に逆らふけはひなし
伊藤敬子【現代語訳】白山蓬は、吹き付ける激しい風に対して反抗するような気配がまったくない。【鑑賞】高山植物特有の、強風を柔らかく受け流しながら低く身を伏せる生態を繊細に観察しています。無理に抗うことなく過酷な風土に適応して生きる姿に、自然の知恵と静かな気品を感じさせます。
白山蓬風の怒濤のさなかなる
水原秋櫻子【現代語訳】白山蓬が、まるで怒濤のように吹き荒れる激しい高山の強風のただ中に咲いている。【鑑賞】高山の容赦ない強風を「風の怒濤」とダイナミックに捉え、その過酷な風雨に耐えながら群れ咲く白山蓬の強靭な生命力を鮮烈に描き出した一句です。
白山蓬雲這ひのぼる岩間かな
福田蓼汀【現代語訳】白山蓬の咲く岩の間を、立ち込める雲がゆっくりと這い上がってくることだ。【鑑賞】山岳俳人として名高い作者が、険しい高山の岩肌に自生する白山蓬と、谷底から湧き上がる雲の動きを静かに捉えています。峻厳な自然と植物の調和が美しい作品です。

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