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「颶風(ぐふう)」とは、猛烈な勢いで吹き荒れる大暴風雨、すなわち台風や熱帯低気圧による烈風を指す秋の季語です。「颶」という漢字には「四方から吹き寄せる激しい風」という意味があり、古くから東シナ海周辺で発生する暴風を指す言葉として用いられてきました。和語の「野分(のわき)」が草木を吹き分ける風情や風の通り過ぎる情緒を帯びるのに対し、「颶風」は漢語ならではの硬質で圧倒的な自然の猛威、緊迫感、破壊的なスケール感を鮮烈に伝える表現です。
「颶風」の持つ力強い響きを生かし、風そのものの凄まじさだけでなく、風に向き合う人間や自然の対比を描くのがコツです。風が迫り来る予兆や緊迫感(「颶風来る」)、あるいは嵐が過ぎ去った後の静寂や爪痕(「颶風過ぐ」「颶風去る」)といった時間の推移を捉えると、ドラマチックな句になります。漢語調の重厚感があるため、中八や説明過多を避け、研ぎ澄まされた簡潔な言葉で引き締めると効果的です。
・山河・自然物:青嶺、大樹、巨岩、海、水平線、林檎(動じない巨大なもの、または激しく揺さぶられ散るもの) ・動詞・状態:迫る、去る、揺る、薙ぐ、轟く、沈黙、無傷 ・人工物・生活:時刻表、窓硝子、鉄塔、避難、灯火
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