胡麻叩く
autumn 生活

胡麻叩く

ごまたたく

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意味・由来 「胡麻叩く(ごまたたく)」は、秋に収穫期を迎えた胡麻の茎を刈り取り、乾燥させた後に、筵(むしろ)などの上で棒で叩いて小さな種子(胡麻の実)をサヤから落とす農作業を表す三秋の季語です。パチパチ、トントンという小気味よくて乾いた音が、秋の澄んだ空気に響き渡る様子は、伝統的な日本の農村の風物詩として親しまれてきました。 ### この季語で詠むコツ 「胡麻叩く」を詠む際は、その「音」や「リズム」に注目するのがコツです。胡麻の実は非常に小さく、叩く音も軽やかでどこか哀愁を含んでいます。視覚的な作業の様子だけでなく、耳に響く乾いた音の余韻や、叩いている人の動作、周囲の静けさとの対比を意識することで、秋ののどかさと寂しさが同居する独特の情景を表現できます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「山路」「日暮れ」「日向」など、静かな空間や時間の移り変わりを表す言葉と相性が良いです。また、「筵(むしろ)」「庭先」「お堂の裏」といった素朴な生活空間や、「父」「祖母」などの登場人物と取り合わせることで、懐かしさや温かみのある情景が引き立ちます。

胡麻叩く」の俳句例 (3件)

胡麻叩く音ばかりなる山路かな
松尾芭蕉【現代語訳】秋の山道を歩いていると、どこからか胡麻を叩いて収穫する音だけが静かに響いてくることだ。【鑑賞】静寂に包まれた秋の山中で、かすかに、しかし規則正しく聞こえてくる胡麻叩きの乾いた音が、周囲の静けさをより一層引き立てています。素朴な農作業の音から秋の深まりを感じさせる名句です。
胡麻叩く音や日暮るる堂の裏
正岡子規【現代語訳】お堂の裏手で胡麻を叩く音が響く中、秋の日はいつの間にか暮れていくことだ。【鑑賞】お堂の裏という静かでやや寂しげな場所から、せわしなく、あるいは淡々と胡麻を叩く音が響きます。その乾いた音とともに秋の一日が暮れていく様子を、聴覚と視覚の重なりによって情緒豊かに描き出しています。
胡麻たたく父に夕日のうすれゆく
飯田蛇笏【現代語訳】庭先で黙々と胡麻を叩いている父親の背中に、秋の夕日が淡く消え入るように薄れていく。【鑑賞】黙々と収穫作業に励む父親の姿と、刻一刻と暮れていく秋の夕日を捉えた句です。胡麻を叩くリズミカルな音が、薄れゆく夕光の中で静かに響き、家族の日常への温かみと哀愁が同時に漂う美しい一瞬を描いています。

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