蝦夷仙入

蝦夷仙入

えぞせんにゅう

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意味・由来

「蝦夷仙入(えぞせんにゅう)」は、スズメ目センニュウ科の小鳥で、ウグイスの仲間です。全体にオリーブ褐色をしており、北海道(蝦夷地)を中心に繁殖することからこの名がつきました。「チョッピン、カケタ」「ジョッピンカケタ(鍵をかけた)」と聞こえる非常に特徴的で鋭い囀(さえず)り声を持つことで知られています。春に夏鳥として北国へ渡り、秋になると再び南の地へと旅立っていくため、渡りの季節である秋の季語としても親しまれています。

この季語で詠むコツ

藪や茂みの深くに潜むことが多く、姿を見つけるのは困難ですが、その声は原生林や湿原に高く響き渡ります。そのため、視覚的な描写よりも「独特な鳴き声」や「鳥の気配」、そしてそれが響く「北国の雄大な自然(原野、湿原、白樺林、夕暮れの湖など)」と組み合わせるのがポイントです。旅立ちを控えた秋の寂寥感や、広大な空間の静けさを際立たせる効果があります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・地理:湿原、原野、原生林、白樺(しらかば)、湖畔、霧、夕暮れ
  • 感覚・様子:一声(ひとこえ)、木霊(こだま)、遠のく、澄む、ひそむ、黄葉

蝦夷仙入」の俳句例 (3件)

蝦夷仙入鳴いて夕野のひろごれる
有働亨【現代語訳】蝦夷仙入の鋭い声が響きわたり、夕暮れの野原がどこまでも広大に感じられることだ。 【鑑賞】北国の広々とした原野にエゾセンニュウの個性的な声が響くことで、空間の広がりと夕暮れの静寂が見事に表現されています。
蝦夷仙入梢移れば声濁る
及川貞【現代語訳】蝦夷仙入が別の梢へと飛び移ると、その鳴き声の調子が少し濁って聞こえてきた。 【鑑賞】茂みに隠れて姿の見えにくい鳥の細やかな動きを、声の変化だけで捉えた鋭い聴覚的描写が光る一句です。
蝦夷仙入鳴くや湖水へ傾く陽
岡田日郎【現代語訳】蝦夷仙入が鳴いている。西に傾いた夕日が湖の水を赤く染め上げている。 【鑑賞】湖畔の暮れゆく光景とエゾセンニュウの張り詰めた声が調和し、北国の秋の冷涼で美しい情景が鮮やかに立ち上がります。

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