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「延寿箸(えんじゅばし)」とは、正月の祝い膳で用いられる特別な箸のことです。「延寿」というめでたい名のとおり、家族の無病息災や延命長寿を願う意味が込められています。主に槐(えんじゅ)の木や白木(柳)で作られ、両方の先端が細く削られた「両口箸」の形をしているのが特徴です。一方を人間が使い、もう一方は神仏が使うという「神人共食(しんじんきょうしょく)」の儀礼的な意味を持ち、年神様と共に新年を祝い、恵みをいただくための清らかな箸です。
延寿箸を詠む際は、おめでたい気分そのものを言葉で説明するのではなく、具体的な情景や人の動作に着目するのがポイントです。例えば、年配の家族へ敬愛を込めて箸を渡す場面や、箸袋から取り出す指先の静けさ、箸を割る(または袋から出す)ときの改まった空気感などを切り取ると、新年の清々しさが際立ちます。小さな命の健やかな成長や、老境を迎えた身の静かな祈りなど、命の尊さや時間の流れを感じさせる背景を持たせると深みのある句になります。
・家族や人に関する言葉:老い、母の手、孫、父、白髪、一族、幼子 ・食膳に関する言葉:お屠蘇、雑煮、重箱、箸袋、水引、膳 ・情景や感覚に関する言葉:白木、清ら、静けさ、香る、改まる、朝光
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春日の牡鹿
天に鳴く
鹿の声
みそら近づけ
笹の路
霜畳
微かに跳ねる
冬の鳥
叫ぶごと
鹿の声して
杜の暮る
楓の葉
染まりて山の
色を編み
まだ聞かぬ
鹿の声待つ
山深し