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「投扇(とうせん)」は、江戸時代中期に京都や江戸の座敷で流行した「投扇興(とうせんきょう)」を指す新年の季語です。木製の台(枕)の上に立てられたイチョウ形の的(蝶)に向かって、少し離れた場所から開いた扇子を投げ、的や扇の落ちた形によって点数を競います。落ちた形にはそれぞれ『源氏物語』五十四帖や名所にちなんだ雅な名前がつけられており、新春の晴れやかな座敷を彩る優雅で風流な遊芸として親しまれてきました。
投扇の魅力は、静かな緊張感と扇が宙を舞う軽やかさ、そして結果が出た瞬間の歓声にあります。扇がひらりと飛ぶ軌道や、的に当たって「からん」と落ちるかすかな音、あるいは投げ手の真剣な表情や袂(たもと)の動きに着目すると、臨場感あふれる句になります。また、勝敗を競い合いながらも漂うお正月の和やかな空気や、古典的な雅びの雰囲気を表現すると、季語の風情がぐっと引き立ちます。
・視覚的な言葉:緋毛氈、蝶(的のこと)、枕(台のこと)、袂、指先、宙、畳 ・聴覚的な言葉:からんと、ことり、笑い声、息をのむ ・新春・座敷の風情:座敷、初春、源氏名、晴れ着、勝負、灯り
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