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「踏歌(とうか)」は、新春を寿ぐ神聖で優雅な宮廷行事に由来する新年の季語です。古代中国から伝わり、日本では平安時代に宮中で盛んに行われました。大勢の人々(特に女性の舞姫たち)が大地を足拍子で力強く踏み鳴らし、歌い舞いながら天下泰平や長寿、豊作を祈願した儀礼です。大地を踏みしめる所作には、地中の邪気を祓い、春の生命力を呼び覚ます呪術的な意味も込められていました。
現代では実際に見る機会が少ない雅な儀式ですが、単なる歴史の再現にとどまらず、足拍子の力強いリズムや、新春の夜の澄み渡る空気感、群舞の華やかさをイメージして詠むのがポイントです。「踏む」「響く」といった動作や音に注目すると、生き生きとした実感が生まれます。また、王朝文化の雅びな雰囲気をまとわせることで、新年の厳かな気品を表現することができます。
踏歌は夜に行われることが多かったため、「篝火(かがりび)」「月光」「白砂」「夜気」といった夜の情景を描く言葉とよく調和します。また、「袖の衣擦れ」「沓の音」「拍子」「乙女らの声」など、聴覚や視覚に訴えかける優雅な名詞と取り合わせることで、遠い平安の雅景が目の前に鮮やかに立ち現れます。