道詮忌

道詮忌

どうせんき

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意味・由来\n「道詮忌(どうせんき)」は、平安時代初期の高僧である道詮律師(どうせんりっし)の祥月命日である陰暦九月二日を偲ぶ仲秋の季語です。道詮律師は荒廃していた奈良・斑鳩の法隆寺東院(夢殿)を再興した大功労者として知られています。夢殿の本尊である救世観音の傍らには、深い精神性を湛えた道詮律師の坐像(国宝)が安置されており、この忌日は初秋から仲秋にかけての斑鳩の静寂や古寺の佇まいを想起させます。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に法要の様子を追うだけでなく、歴史の重みや秋の斑鳩の里の澄んだ空気感、静寂を捉えるのがポイントです。律師が愛した夢殿の八角円堂の建築美や、秋風、照り映える秋の日差しなど、寺を取り巻く自然の情景と心を通わせるように詠むと、格調高く深い余情が生まれます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・場所・風物:斑鳩(いかるが)、夢殿、瓦、古瓦、回廊、厨子、梵鐘\n・自然・天候:秋風、秋澄む、秋晴、露、木犀、暮色\n・情緒・動作:静寂、合掌、祈り、ともしび、影、歩み

道詮忌」の俳句例 (3件)

会釈して道詮律師通りけり
阿波野青畝【現代語訳】道詮律師が、私に向かってにこやかに軽く会釈をしながら通り過ぎて行かれたことだ。【鑑賞】夢殿に安置された道詮律師の生きているかのようなリアルな坐像を仰ぎ見たときの感動を、あたかも律師本人が目の前を歩いて通り過ぎていったかのようにユーモラスかつ瑞々しいリアリティで捉えた名句です。
道詮忌夢殿の戸の細目より
中村草田男【現代語訳】道詮忌の今日、夢殿の扉がほんの少し細めに開けられている隙間から、神秘的な奥の気配が感じられる。【鑑賞】普段は固く閉ざされがちな夢殿の扉が少しだけ開かれている様子に注目し、秋の光や風が堂内へと吸い込まれていく神秘性と、古刹の静かな緊張感を巧みに切り取っています。
道詮忌厨子の扉のひらかれて
星野立子【現代語訳】道詮律師の忌日を迎え、厨子の扉が静かに開かれている。【鑑賞】法要のために秘仏や坐像を納めた厨子の扉が開かれた瞬間の、清浄で厳かな空気を率直に詠んだ一句です。素直な描写の中に、秋の澄んだ気配と仏事への敬虔な祈りが美しく響き合っています。

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