千代尼忌

千代尼忌

ちよにき

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意味・由来 「千代尼忌(ちよにき)」は、江戸時代中期の加賀国松任(現在の石川県白山市)に生まれた高名な女流俳人・加賀千代女(千代尼)の忌日です。陰暦9月8日(現在では10月上旬頃)にあたり、秋の季語となっています。幼少から俳諧に親しみ、後に剃髪して素園と号した彼女は、「朝顔や釣瓶とられてもらひ水」などの句で今なお広く親しまれています。女性ならではの情愛や生活感、そして仏教への帰依を通じた澄んだ境地を讃え、偲ぶ季語です。 ### この季語で詠むコツ 千代尼といえばやはり「朝顔」や「井戸(釣瓶)」が強く結びついています。これらを連想させる事物を取り入れるのは定番ですが、単なる連想ゲームに終わらせず、晩秋の澄んだ水、澄み切った秋晴れの光、あるいは静かな読経の気配など、千代尼の清純で高潔な人柄や人生観に寄り添う描写を心がけると奥行きが出ます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「朝顔秋の朝顔・朝顔の種)」「釣瓶」「井戸端」「澄む」「素水」「袈裟」「秋晴」など、清らかで透明感のある言葉や、千代尼の足跡を感じさせる言葉と調和します。

千代尼忌」の俳句例 (3件)

千代尼忌のあさがほ種をふくみけり
長谷川かな女【現代語訳】千代尼忌のこの頃、朝顔はすっかり咲き終えて、静かにその実のなかに種を宿していることだ。【鑑賞】千代女の代名詞である朝顔が、秋深まる忌日の頃には種を結んでいる姿を捉えました。千代女の遺した俳諧の精神が、種として次の世代へと大切に受け継がれていくような優しさと慈愛に満ちた秀句です。
千代尼忌の朝顔紺を極めけり
及川貞【現代語訳】千代尼忌の朝に咲く朝顔は、深い紺色を極め、この上なく鮮やかに冴えわたっている。【鑑賞】秋の深まりとともに咲く名残りの朝顔の引き締まった濃紺に、千代尼が生涯をかけて貫いた純粋な俳諧の道と、凛とした気品を重ね合わせて讃えています。
千代尼忌のつるべに水の手応へよ
後藤比奈夫【現代語訳】千代尼忌の日に井戸の釣瓶を引き上げると、確かな冷たい水の手応えが伝わってくることだ。【鑑賞】「朝顔や釣瓶とられて…」の故事をさりげなく踏まえつつ、自ら井戸水を汲む日常の手応えを通じて千代尼を追善しています。秋水の冷たさと引き締まった感触が、千代尼の面影を鮮やかに甦らせます。

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