千木箱売る

千木箱売る

ちぎばこうる

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意味・由来\n「千木箱売る(ちぎばこうる)」とは、東京・港区にある芝大神宮の例大祭「だらだら祭り」(9月11日~21日)の期間中に、縁起物である「千木筥(ちぎばこ)」が境内の露店などで授与・販売される情景を詠む仲秋の季語です。千木筥は檜の薄板を曲げて作った楕円形の三段重ねの小箱で、藤の紐で結ばれており、中には大豆が入っています。「千木」が「千着(たくさんの着物)」に通じることから、衣装が増える、良縁に恵まれる、また雷除けのご利益があるとされ、江戸時代から女性を中心に親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n千木筥を振ると中の豆が「カラカラ」と素朴で愛らしい音を立てます。この軽やかな音感や、だらだら祭り特有ののんびりと長く続く秋祭の空気感を取り入れると情緒が深まります。また、着物や良縁を祈る娘や女性たちの華やいだ姿、初秋の澄んだ空や吹き抜ける涼風と対比させることで、江戸情緒の残る情景を生き生きと描き出すことができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 音・動作:振れば鳴る、結び紐、手に提げて、受く\n- 人物・衣装:娘、母娘、晴れ着、袖、袂(たもと)\n- 季節・場所:芝大門、社頭、秋風、秋晴、露店

千木箱売る」の俳句例 (3件)

千木筥を売るだらだらと十日あまり
岡安迷子【現代語訳】芝大神宮の例大祭の間、十日以上もの長い日数をだらだらと千木筥を売り続けていることだ。\n【鑑賞】芝大神宮の祭りは祭期が非常に長いことから「だらだら祭り」の異名を持ちます。その「だらだら」という祭りの呼び名と、十日余りにわたってのんびりと千木筥が売られ続ける様子を重ね合わせ、祭り特有の緩やかな空気を巧みに捉えています。
千木筥や芝の神代の秋の風
宝井其角【現代語訳】千木筥が並ぶ芝の宮居に、遠い神代の昔から変わらぬ秋の風が吹いている。\n【鑑賞】芝神明(芝大神宮)の古い由緒と、千木筥の素朴な伝統美を賛美した句です。歴史ある神社の厳かさと、初秋の爽やかな風の感触が響き合い、格調高い余韻を残します。
千木筥を売るや社頭の秋の風
正岡子規【現代語訳】芝大神宮の社頭で千木筥が売られている。そこに吹き抜ける秋の風のなんと爽やかなことよ。\n【鑑賞】芝大神宮の祭礼風景を素直に写生した一句です。江戸情緒の残る千木筥の露店と、神社の境内に吹きわたる澄んだ秋風の対比が心地よく、季節の訪れと伝統行事の清々しさを感じさせます。

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