芭蕉葉

芭蕉葉

ばしょうば

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意味・由来\n「芭蕉葉(ばしょうば)」とは、中国原産のバショウ科の大型多年草である芭蕉の葉を指す秋の季語です。芭蕉は夏に瑞々しく巨大な葉を何枚も広げますが、その葉は繊維が縦に通っているため、秋の初風が吹き始める頃になるとたちまち風に打たれて裂け、無残な姿を晒します。この葉が裂けやすく、風雨にさらされて寂びていく姿が無常観や佗びの美学に通じることから、松尾芭蕉をはじめとする俳人たちに深く愛されてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n芭蕉の葉は長さが1〜2メートルにも達する非常に大きな葉です。そのため、葉の「大きさ」や「裂けやすさ」、そして「風や雨との関わり」に注目して描写するのが基本です。秋風に吹かれてビリビリと裂けて揺れる視覚的な動きはもちろん、大粒の秋雨が巨大な葉を激しく叩く音(聴覚的要素)を捉えると、より臨場感のある句になります。ただ葉そのものを詠むだけでなく、裂け目の向こうに見える青空や夕暮れの光など、葉を通して現れる背景を描くのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・動詞:「裂く」「破れる」「打つ」「鳴る」「垂る(しだる)」\n・名詞:「風」「夕風」「秋雨」「雫」「青空」「庵(いおり)」「夜」\n・形容詞:「青々」「寂し」「高し」\n風雨と取り合わせることで葉の動きや音が引き立ち、また侘び住まいや寺院などの静寂な空間と合わせることで、秋の深まりゆく寂寥感を強調することができます。

芭蕉葉」の俳句例 (3件)

芭蕉葉に雨たばしりて暮れにけり
中村草田男【現代語訳】広大な芭蕉の葉に激しく雨粒が跳ね散って、そのままあたりは日が暮れてしまった。\n【鑑賞】「たばしりて(激しく飛び散って)」という力強い言葉により、雨が大きな芭蕉葉を打ちつける豪快な音と激しい水飛沫がありありと浮かびます。夕暮れの暗がりと秋雨の冷たさが強く印象に残るダイナミックな一句です。
芭蕉葉を柱に懸けん庵の月
松尾芭蕉【現代語訳】大きな芭蕉の葉を柱に掛け、風雅な飾りとしてこの簡素な庵で秋の月を眺めよう。\n【鑑賞】門人から贈られた芭蕉の木が茂る「芭蕉庵」での作。芭蕉の葉そのものを風流な室内の飾りとし、澄み渡る秋の月光を楽しむという、芭蕉の質素で洗練された草庵生活と詩心が溢れ出る名句です。
芭蕉葉の裂けて青空あらはるる
水原秋桜子【現代語訳】秋風によって芭蕉の葉が裂け、その裂け目から澄み切った秋の青空が覗いている。\n【鑑賞】風に裂けやすい芭蕉の葉の物理的特徴を見事に捉えています。傷ついた緑の葉の向こうに、鮮やかで吸い込まれそうな秋晴れの青空がのぞくコントラストが、清々しく近代的な抒情美を醸し出しています。

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