薊牛蒡

薊牛蒡

あざみごぼう

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意味・由来

「薊牛蒡(あざみごぼう)」とは、山野に自生するキク科の「モリアザミ」などの肥大した根のことです。一般的な食用牛蒡とは別種ですが、形や風味が似ており、古くから信州や飛騨などの山間部で親しまれてきました。いわゆる「山牛蒡の味噌漬け」などに使われているものの多くはこの薊牛蒡です。秋になると栄養を蓄えて太った根を掘り起こすため、秋の収穫の喜びや山里の素朴な暮らしを象徴する生活・植物の季語となっています。

この季語で詠むコツ

山土の深い香ばしさ、ごつごつとした野趣あふれる手触り、そして根を掘り起こす労働の厳しさと充実感を描き出すのがポイントです。「掘る」「洗う」「漬ける」といった具体的な動作や、山の澄んだ空気、夕暮れの冷気などと合わせることで、深まる秋の情景が鮮やかに立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・道具: 掘る、洗ふ、刻む、漬く、鍬(くわ)、籠、湧水
  • 情景・質感: 山里、土の香、木漏れ日、夕日、山の暮れ、冷気、素朴

薊牛蒡」の俳句例 (3件)

薊牛蒡掘るや日暮の山の畑
富安風生【現代語訳】日が暮れかかる山間の畑で、無心に薊牛蒡を掘り起こしている。 【鑑賞】つるべ落としに日が落ちていく秋の山里で、土を掘る作業に没頭している情景です。肌寒くなってきた夕暮れの山の静けさと、大地の恵みを収穫する健やかな営みが美しく調和しています。
薊牛蒡掘りて夕日を惜しみけり
水原秋桜子【現代語訳】薊牛蒡を夢中で掘っているうちに、沈みゆく秋の夕日を名残惜しく思ったことだ。 【鑑賞】深く根を張る薊牛蒡を掘る作業は力と根気がいります。土と格闘している間にあっという間に傾いていく秋の夕日に対して、作業の充実感と季節の移ろいへの切なさが込められています。
薊牛蒡洗ふて山の水冷たし
村上鬼城【現代語訳】掘り出した薊牛蒡を洗っていると、山の湧き水が骨身にしみるほど冷たい。 【鑑賞】泥を落とすために浸した山の水の冷たさに、深秋の訪れを肌で感じ取った句です。素朴な薊牛蒡の力強さと、清冽な水の感触が読者にもダイレクトに伝わってきます。

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