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「出水(でみず)」とは、梅雨の長雨や集中豪雨、台風などの大雨によって河川の水が急激に増水し、溢れ出たり堤防を越えそうになる現象を指します。自然が牙を剥く恐ろしい水害の姿であると同時に、古代から川とともに生きてきた日本人の生活と深く結びついてきた夏の時候・地理の季語です。自然の圧倒的な猛威や、人間の無力さ、緊張感を象徴しています。
出水の迫力や不穏な空気を描くには、五感を働かせることが大切です。茶色く濁った激流、水面から突き出た流木といった視覚的な描写だけでなく、川底の石が擦れ合う鈍い音や地鳴りのような轟音といった聴覚、湿った泥の匂いなどを捉えると現場の緊張感が際立ちます。また、増水した川を不安そうに見つめる人々や警戒の灯りなど、人間側の動きと対比させて詠むのも情景に深みを与えます。
・堤(つつみ)/橋桁(はしげた) ・濁流(だくりゅう)/土煙(つちけむり) ・土嚢(どのう)/警鐘(けいしょう) ・轟く(とどろく)/押し寄せる(おしよせる)