朝顔姫

朝顔姫

あさがおひめ

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意味・由来

朝顔姫(あさがおひめ)」は、秋の初めに咲く朝顔の花を可憐な姫君に見立てた雅やかでロマンチックな季語です。朝顔は漢名で「牽牛花(けんぎゅうか)」とも呼ばれ、七夕の牽牛・織女伝説と深く結びついています。このことから、織女(七夕の姫)を連想させるとともに、人形浄瑠璃『生写朝顔話』に登場する悲劇のヒロイン・朝顔(深雪)の物語美も背景に重なっています。朝の清らかな露を浴びて慎ましく咲き、昼前には萎んでしまうはかなさや気品を、若い姫君の姿に重ね合わせて愛でる言葉です。

この季語で詠むコツ

朝顔」という単体季語よりも、物語性や華やかさ、しとやかさがぐっと強くなります。そのため、早朝の瑞々しい光景や、目覚めたばかりの人物の所作、あるいは朝露のきらめきなどと結びつけると効果的です。「姫」という言葉の持つ雅な響きを活かし、少し古風な言いまわしや優雅な情景描写を意識すると、季語の風情が引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・露、朝露、朝ぼらけ、薄明 ・鏡、紅、簾(すだれ)、袂(たもと)、文(ふみ) ・起き出づ、微笑む、結ぶ、ほどく

朝顔姫」の俳句例 (3件)

朝顔姫起き出で給ふ露の宿
阿波野青畝【現代語訳】朝顔姫が露にしっとりと濡れた宿でお目覚めになられたことよ。 【鑑賞】朝露に濡れながら咲く朝顔の姿を、高貴な姫君が朝を迎えて起き出した姿に見立てた一句。「起き出で給ふ」という敬語の表現が朝顔の花を一段と気高く、艶やかに演出しています。
朝顔姫起きて紅さす朝げかな
日野草城【現代語訳】朝顔姫が起きて、唇にほんのりと紅をさす美しい朝であることだ。 【鑑賞】早朝に花開く朝顔の紅や紫の鮮やかな色づきを、目覚めた姫が化粧で紅をさす所作に重ねています。女性美と植物の瑞々しさが重なり合う、艶やかで甘やかな情趣が漂います。
朝顔姫の袂の露や今朝の秋
井上士朗【現代語訳】朝顔姫の美しい着物の袂にこぼれる露のなんと清らかなことか、まさに立秋の朝を迎えたのだ。 【鑑賞】「今朝の秋(立秋の日の朝)」の清々しい空気の中、咲いたばかりの朝顔に宿る露を姫の袖に見立てています。秋の訪れのはかなさと美しさが優雅に詠み込まれています。

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