青鴫

青鴫

あおしぎ

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意味・由来

「青鴫(あおしぎ)」は、秋の季語である「鴫(しぎ)」の一種で、チドリ目シギ科の鳥です。全体的に暗褐色から青灰色、緑がかった落ち着いた色合いの羽毛を持つことからこの名がつきました。山地の渓流沿いや山間の湿地、沢辺などに生息し、人目を避けるようにひっそりと暮らしています。秋になると山奥から人里近くの小川や沢辺に姿を見せることもあり、夕暮れの寂寥感や山川の澄んだ空気を象徴する鳥として古くから俳諧で詠まれてきました。

この季語で詠むコツ

青鴫は非常に警戒心が強く、保護色で周囲の岩や枯れ草に溶け込んでいるため、姿を見るよりも「飛び立つ羽音」や「飛び去る影」、あるいは「鋭く鳴く声」によってその存在に気づくことが多い鳥です。そのため、静寂を破る一瞬の動きや、沢沿いの夕暮れの薄暗がり、清冽な水の気配などを捉えて詠むと、青鴫の持つ野趣と哀愁が際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水や地形を表す言葉:沢、渓流、せせらぎ、岩陰、湿原 ・情景・時間帯を表す言葉:夕暮、夕日、薄暮、水煙、木漏れ日 ・感覚・動作を表す言葉:飛び立つ、羽音、水輪、忍ぶ、静けさ

青鴫」の俳句例 (3件)

青鴫の立ちて夕日の薄きかな
正岡子規【現代語訳】青鴫が水辺からふっと飛び立ち、その後に残された夕日はどこか薄く頼りなげに照っていることだ。 【鑑賞】青鴫が飛び立った瞬間の動と、そのあとに訪れる夕暮れの静寂が見事に対比されています。秋の夕日の淡く寂しい光が、青鴫の飛び去った後の水辺の寂寥感を一層引き立てています。
青鴫の羽風にゆらぐ薄かな
富安風生【現代語訳】青鴫が飛び立ったときの羽風によって、水辺の薄(すすき)の穂がかすかに揺れていることよ。 【鑑賞】青鴫本体の姿ではなく、飛び立った勢いで揺れる薄の穂という余韻に焦点を当てています。視線と空気の動きを巧みに捉え、秋の野辺の澄んだ静けさを印象づけています。
青鴫の音を忍ぶ雨や古簾
飯田蛇笏【現代語訳】青鴫が気配をひそめるかのようにしとしとと雨が降り、使い古された簾が秋の湿り気に静かに垂れている。 【鑑賞】山居の静寂と秋雨の侘びしさを描いた一句です。姿を見せない青鴫の気配を雨音や古簾の佇まいに重ね合わせ、深まりゆく秋の奥深い情感を表現しています。

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