秋さり

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あきさり

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意味・由来

「秋さり(秋さる)」は、秋がやって来ること、秋になることを意味する古風で雅やかな季語です。「去る」という漢字から「秋が去っていく(終わる)」と誤解されがちですが、古語の「さる」には「時節がめぐり来る・経過する」という意味があり(例:「春されば」「夜さる」など)、万葉の時代から「季節の訪れ」を表す言葉として使われてきました。厳しい夏の暑さがようやく衰え、大気や風、水などに秋の気配がはっきりと立ち現れてくる移ろいの美しさを包み込む言葉です。

この季語で詠むコツ

「秋さりて」「秋さるや」「秋さるの」といった形で句の導入や結びによく用いられます。言葉自体が古典的な静けさや風情を強く持っているため、大げさな表現を重ねるよりも、日常のふとした生活感覚や、身近な自然の細やかな変化(水の澄み方、風の音、草木の陰影など)を静かに写し取ると効果的です。どこか懐かしさやしみじみとした情感を漂わせるのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・自然・風景の言葉:山水、野川、木立、草の庵、雲、月影、谷風 ・暮らし・感覚の言葉:文机、灯火、衣替え、澄む、ひびく、しじま

秋さり」の俳句例 (3件)

秋さりて山水ひびく草の庵
与謝蕪村【現代語訳】秋が訪れて、山から流れる水の音が一段と澄み渡り、粗末な草庵に心地よく響き渡っている。 【鑑賞】夏の喧騒が去り、秋の気配が深まった山中の草庵。大気が澄んできたことで、谷川のせせらぎがより一層クリアに耳に届く様子を、静寂と響きの対比で見事に描き出しています。
秋さるや旅の心にかかる雲
加舎白雄【現代語訳】秋がめぐり来ると、旅に出たいという心にふわりと秋の雲がかかるように、哀愁と旅情が湧き上がってくる。 【鑑賞】「秋さる」の訪れとともに湧き起こる、旅人の心細さと旅立ちへの憧れを空に浮かぶ雲に託した一句です。江戸中期の粋と抒情が感じられます。
秋さるや簾を透す月のかげ
正岡子規【現代語訳】秋がやって来て、夏の名残のすだれを透かして、秋の月明かりが静かに差し込んでいる。 【鑑賞】まだ片付けていない簾を通して射し込む月の光に、確かな秋の訪れを感じ取った情景です。病床にありながらも季節の微細な光の移ろいを見逃さない子規の繊細な観察眼が光ります。

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