秋の雷

秋の雷

あきのらい

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意味・由来

「秋の雷(あきのらい)」は、秋になってから鳴る雷のことです。「秋雷(しゅうらい)」「秋いかずち」とも呼ばれます。夏の雷が激しい夕立とともに夕暮れの空を裂く圧倒的なエネルギーを持つのに対し、秋の雷はどこか乾いており、とどろく音にも衰えや寂しさが漂います。前線の通過や台風に伴って鳴ることが多く、ひとしきり鳴り響いた後には、一段と秋の冷気が深まるのが特徴です。

この季語で詠むコツ

夏の雷との違いである「余情」「寂寥感」「冷え込み」を意識するのがポイントです。ただ雷の音の大きさを詠むのではなく、雷鳴が遠ざかった後の静寂、急激に冷え込む大気の気配、あるいは澄んだ秋の空に響くどこか乾いた音の質感に焦点を当てると、秋らしい深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・暮色や夜の気配(暮れゆく、宵闇、夜霧) ・冷たさや静けさを表す言葉(ひえびえと、静寂、遠ざかる、水底) ・秋の景物(障子、稲穂、落葉、虫の声)

秋の雷」の俳句例 (3件)

秋の雷ひびきて水底の石動かず
日野草城【現代語訳】秋の雷鳴が空に響き渡っているが、澄んだ水底にある石は微動だにせず鎮まっている。 【鑑賞】秋の雷の響きと、冷たく澄んだ水底の動かない石との対比が鮮やかです。動と静、大気と水底の対比によって、秋ならではの静寂と澄み切った冷気が際立つ名句です。
秋の雷鳴りて淋しき日和かな
正岡子規【現代語訳】秋の雷がゴロゴロと鳴って、なんとも心細く寂しい一日であることよ。 【鑑賞】夏の雷のような猛烈さや爽快感はなく、どこか力なく鳴り響く秋の雷に対して抱く、作者のしんみりとした孤独感が率直に詠み込まれています。
秋の雷しばらくしては遠ざかる
高浜虚子【現代語訳】秋の雷がしばらく鳴っていたと思ったら、すぐに遠くへと去っていってしまった。 【鑑賞】居座ることなくあっけなく遠ざかっていく秋の雷の性質を、平明な言葉でありのままに写生しています。雷が去ったあとに残る秋の静けさが余韻として広がります。

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