秋の初雪

秋の初雪

あきのはつゆき

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意味・由来

「秋の初雪」とは、暦の上でまだ秋(立冬の前)のうちに降る、その年最初の雪のことです。通常の「初雪」は冬の季語ですが、晩秋の思いがけない寒波によって紅葉や秋草が残る時期に降る雪は、季節外れの早さと秋の風情を強調するために「秋の初雪」として秋の季語(晩秋)に分類されます。色鮮やかな紅葉や咲き残る菊の上にふわりと舞い落ちる白雪は、どこか儚く、冬の訪れを予感させる独特の寂寥感と美しさをもたらします。

この季語で詠むコツ

「秋の初雪」を詠む際は、秋の終わりと冬の始まりが重なり合う「色彩の対比」や「意外性・驚き」を表現するのがポイントです。山々を彩る紅葉やまだ枯れきっていない草花の温かみのある色彩と、冷たい白雪のコントラストを描くことで、晩秋ならではの情景が鮮やかに立ち上がります。「まさかもう雪が」という驚きや、急速に深まる寒さへの肌感覚を盛り込むと、実感がこもった一句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 植物・自然:紅葉(もみじ)、黄葉残菊、薄(すすき)、高嶺、渓谷、朝霧
  • 色・質感:白、深紅、黄金色、うすうす、ふわり、解けやすき
  • 時間・心情:ふいに、予期せぬ、暮れ際、旅路、驚き、温もり

秋の初雪」の俳句例 (3件)

秋の初雪菊にまじりて消えにけり
正岡子規【現代語訳】秋のうちに降った初雪が、庭に咲く菊の花に混ざるように舞い降り、あっという間に消えてしまったことよ。 【鑑賞】晩秋に咲く色鮮やかな菊の花と、降りかかってはすぐに溶けてゆく初雪の儚い対比が美しい一句です。季節の移ろいの繊細な一瞬を写生の手法で見事に捉えています。
秋の初雪尾根の紅葉を隠しけり
詠み人知らず【現代語訳】秋早くに降った初雪が、山々の尾根を彩っていた美しい紅葉を覆い隠してしまった。 【鑑賞】錦に染まる山肌が一面の銀世界へと一気に塗り替えられるドラマチックな自然の推移を描いています。秋の華やぎが雪によって一瞬で冬の静寂へと引き継がれる緊張感が伝わります。
秋の初雪山里すでに暮れなんとす
飯田蛇笏【現代語訳】秋の初雪が降るなか、山里のあたりは早くも日が暮れようとしている。 【鑑賞】甲斐の山懐に生きた蛇笏らしい、重厚で静謐な気品が漂う句です。思いがけない早雪がもたらす冷え込みと、急速に訪れる山里の夕暮れの寂寥感が深く心に染み入ります。

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