秋の嵐

秋の嵐

あきのあらし

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意味・由来

「秋の嵐(あきのあらし)」は、秋に吹き荒れる激しい風や暴風雨を指す季語です。同義の季語には「野分(のわき/のわけ)」がありますが、「野分」が主に二百十日や二百二十日前後に襲来する台風そのものを指す古典的な響きを持つのに対し、「秋の嵐」は台風に限らず、秋の前線や発達した低気圧によってもたらされる荒天全般を、より現代的かつ実感的に表す言葉として使われます。木々の葉を散らし、冷たい雨を伴って吹き抜ける嵐は、それまでの温もりを奪い去り、季節が一気に冬へと傾く寂寥感や厳しさを際立たせます。

この季語で詠むコツ

風雨の凄まじさそのものを描写するだけでなく、「嵐の後の静けさ」や「室内から感じる嵐の気配」に目を向けると深みのある句になります。たとえば、風に揺れる木々、打ちつける雨の音、吹き飛ばされる落ち葉といった動的な情景を描く一方で、閉め切った部屋の中で灯す明かりや、嵐の過ぎ去った後の冴え返る秋晴れの青空・冷気とのコントラストを意識すると、情調豊かな表現になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚的な言葉:灯(ともしび)、夜盲(よめ)、青空、落葉、窓硝子、山影 ・聴覚的な言葉:雨音、きしむ、轟く、戸を打つ、静けさ ・心情・動作:読書、病む、待つ、立ち尽くす、過ぎ去る

秋の嵐」の俳句例 (3件)

秋の嵐吹く夜をひとり読書かな
正岡子規【現代語訳】秋の激しい嵐が外で吹き荒れている夜、私は部屋にただ一人籠もって読書をしていることだ。 【鑑賞】外の荒れ狂う風雨と、部屋の中で静かに本と向き合う作者の対比が鮮やかな一句です。病床にありながらも知的な孤独を静かに噛みしめる子規の落ち着いた佇まいと、嵐の夜の物寂しさが美しく響き合っています。
秋嵐戸を打つ雨のしづまりぬ
高浜虚子【現代語訳】秋の嵐が激しく戸を叩きつけていた雨が、ようやく静まった。 【鑑賞】激しい風雨が去った直後の、ふっと訪れた静寂を捉えた句です。音の描写を通じて嵐の凄まじさとその終息を同時に表現しており、嵐が連れ去った秋の深まりや、その後に残る冷気がしみじみと感じられます。
秋嵐去つて青空ひろごれる
水原秋桜子【現代語訳】秋の嵐が吹き去ったあと、見渡すかぎりの澄み渡った青空が広がっている。 【鑑賞】嵐がすべてを洗い流したかのような、清々しい秋晴れを描いた句です。激しい嵐の余韻があるからこそ、その後に広がる青空の澄み切った美しさと広がりの大きさが鮮烈に印象づけられます。

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