秋土用

秋土用

あきどよう

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意味・由来

土用」といえば一般的に夏の土用丑の日が連想されますが、本来は立春・立夏・立秋・立冬の直前にある約18日間の季節の変わり目を指します。「秋土用(あきどよう)」は立冬の直前、10月下旬から11月上旬にかけて訪れる晩秋土用です。五行思想において季節の移行を司る「土」の気が強まる期間とされ、昔はこの時期の土木工事や土いじりを慎む風習がありました。実りの秋が終わりに近づき、日ごとに冷気が増して冬の気配が濃くなる陰影に富んだ季節です。

この季語で詠むコツ

夏の土用が「厳しい暑さ」を象徴するのに対し、秋土用は「深まりゆく秋と忍び寄る冬の寒さ」を意識して詠むのがポイントです。日暮れの早さや肌を刺す風の冷たさ、収穫を終えた畑の静けさなど、季節の移ろいに対する哀愁や身の回りの落ち着いた変化を捉えると実感がこもります。「土用」の持つ独特の重さや、季節の狭間ならではの不安定な天候、身体の冷えなどを詠み込むと効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・大地や畑の様子(畑、畝、土、干潟、大根の芽) ・晩秋の気象・光(夕日、薄日、西風、夕暮れ、冷え) ・日々の暮らしの動作(片付け、繕い、鍬を洗う、靴音)

秋土用」の俳句例 (3件)

秋土用大根の芽の揃ひけり
高浜虚子【現代語訳】秋土用の頃、畑に蒔いた大根の種が見事に芽を揃えて生え出ていることだ。 【鑑賞】冬の気配が近づく秋土用の肌寒さの中で、力強く一斉に芽吹いた大根の新芽に生命の瑞々しさを見出した句です。静けさと確かな生命の息吹が対比されています。
秋土用干潟に蟹の穴多し
長谷川零余子【現代語訳】秋土用の冷え込む海辺の干潟に、無数の蟹の穴がぽつぽつと開いている。 【鑑賞】晩秋の干潟のどこか寂しげな光景を写生した一句です。引き潮の冷たい砂地と無数の穴の描写が、秋土用特有の乾いた風やもの寂しさを鮮明に伝えています。
秋土用墓の砂利踏む音ばかり
角川源義【現代語訳】秋土用の静まり返った墓地を歩くと、ただ自分の足が砂利を踏む音だけが響いている。 【鑑賞】墓参の折、静寂の中に響く足音の鋭さに季節の移ろいを感じ取っています。秋土用の冷え冷えとした空気感と、死生観に通じる深い寂寥感が凝縮された名句です。

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