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「夜這星(よばいぼし)」とは、夜空を一瞬で駆け抜ける「流れ星(流星)」の古風で情緒あふれる呼び名です。夜空の星が、愛しい星のもとへと密かに通っていく(夜這いをする)姿に見立てられたことから、この名が生まれました。古来、大気が澄み渡り夜空がひときわ美しくなる「秋」の季語として親しまれています。現代的な「流星」という言葉の持つ科学的・天文学的な響きに比べ、どこか妖しく、生々しい人間の情感や艶やかさを秘めた季語です。
夜這星を詠む際は、その言葉が持つ「ひそやかさ」「一瞬の逢瀬」「人恋しさ」といった独特の陰影を生かすのがコツです。単に「星が流れて綺麗だ」と客観的に描写するのではなく、夜の帳(とばり)に包まれた人の営み、寝静まった村や家、そっと交わす言葉など、地上の静けさや人間の体温と対比させると深い余情が生まれます。また、一瞬で消えてしまう儚さに、恋心や人生の無常を重ねて表現するのも効果的です。
夜這星の妖しい美しさを引き立てるために、夜の静けさや人肌の温もりを感じさせる言葉と合わせると調和します。季節を重ねる場合は、必ず同じ秋の言葉を選びましょう。 ・枕、寝息、灯影(ほかげ)、逢瀬(おうせ)、戸口などの人間の気配や夜の室内を思わせる言葉 ・秋風、露、秋深し、虫の声、夜寒(よさむ)など、秋の静寂や肌寒さを深める言葉