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「遣羽子(やりばね)」とは、新年に二人で向かい合い、羽子板で羽根を打ち合って遊ぶ「羽根突き」のことです。古くは室町時代から宮中や武家の間で行われていた伝統的な遊戯で、羽根の玉に用いられる「無患子(むくろじ)」という植物の種には「子どもが患わない」という意味が込められており、新年の厄除けや無病息災を願う縁起物としての背景を持っています。一人で突く「揚げ羽子」に対して、相手と交互に打ち合う掛け合いの楽しさや、失敗したときに顔へ墨を塗る無邪気な笑い声など、新春の晴れやかな賑わいを象徴する季語です。
遣羽子を詠む際は、羽子板が羽根を弾く「カーン」という乾いた快い音や、新年の澄んだ空気感を捉えることが大切です。打ち合う人物の生き生きとした動き、晴れ着の袂(たもと)が風に翻る華やかさ、羽根を見上げる視線の先にある新春の青空などを描き出すと、躍動感のある一句になります。音の響きに焦点を当てて周囲の静けさとの対比を狙ったり、勝負に一喜一憂する子どもたちの表情に迫ったりすると、情景が鮮やかに浮かび上がります。
・音や響きを表す言葉(乾く、澄む、高らか、遠響きなど) ・動作や衣装(晴れ着、袂、跳ねる、仰ぐなど) ・新春の情景(初空、青空、日溜まり、路地など)
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