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屠蘇酒(とそしゅ・とそざけ)は、正月に無病息災や延命長寿を祈っていただく特別な薬酒のことです。山椒や桔梗、防風など十数種類の生薬を調合した「屠蘇散」を、味醂や清酒に浸して作ります。「屠」には邪気を払う、「蘇」には魂を蘇らせるという意味が込められており、中国から伝わって平安時代の宮中行事となり、やがて庶民の正月風景へと定着しました。若者の瑞々しい生気を年長者へ渡すという意味から、年少の者から順に杯を重ねていく作法が特徴です。
単に「お酒を飲んでめでたい」と詠むのではなく、屠蘇酒ならではの独特な生薬の香りや、朱塗りの三つ重ねの杯といった「色や匂い」に着目すると句に深みが出ます。また、儀式としての改まった緊張感と、それを飲み干した後に訪れる家族の和やかな笑顔や団欒の対比を描くのも効果的です。幼子が背伸びをして杯に唇を寄せる仕草や、祖父母の手の震えなど、飲む人の様子を丁寧に写し取ってみましょう。
・器や道具:朱の杯、重ね杯、錫の銚子、白木の膳 ・五感や情景:薬の香、ほろ酔ひ、舌に甘く、一献、長幼 ・家族の姿:幼子、白髪、老の手、順繰り
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