立琴

立琴

たてごと

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意味・由来

「立琴(たてごと)」は、弦が垂直に張られた撥弦楽器の総称であり、ハープやリラなどを指します。秋の季語として扱われる背景には、秋の夜の澄み切った大気の中で響く金属弦やガット弦の清澄な音色が、秋の風情や寂寥感、透明感と見事に調和することが挙げられます。また、秋の夜空に美しく輝く「こと座(立琴座)」の星の光ともイメージが重なり合い、西洋的な優美さと天上の清らかさを漂わせる季語として愛好されてきました。

この季語で詠むコツ

立琴は優雅で幻想的な印象を強く持つ言葉です。そのため、単に「綺麗な音」と描写するにとどまらず、楽器を抱く手の白さや指先の動きといった視覚的描写、あるいは秋の風や星の光といった自然現象と音色を共鳴させるのがポイントです。音そのものを直接書くのではなく、弦の張り詰めた空気感や、演奏が終わったあとの静寂を描くことで、秋の深まりや人の心の孤独感(秋思)を奥行き深く表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚や天体を誘う言葉:「星澄む」「銀河」「秋の夜」「天心」「月の光」 ・質感や情感を添える言葉:「爪音(つまおと)」「弦」「指」「静寂」「秋風」「澄む」 ・心象を描く言葉:「秋思」「愁い」「遙か」「祈り」

立琴」の俳句例 (3件)

竪琴を抱けば秋風鳴るごとし
有馬朗人【現代語訳】竪琴を胸に抱きかかえると、吹き抜ける秋風がその弦を鳴らして歌っているかのように感じられる。 【鑑賞】物理的に弦を爪弾くのではなく、澄みきった秋風そのものが竪琴に触れて音を奏でているような幻想的な感覚を詠んでいます。楽器の持つ古典的な気品と秋の風の清涼感が見事に重なり合い、詩情あふれる世界を立ち上げています。
竪琴の音にしみ入るや秋の風
水原秋櫻子【現代語訳】竪琴のつま弾く清らかな音色に、身に染みるような秋の風が溶け込んでゆくことよ。 【鑑賞】美しい音楽と秋風の冷涼さを響き合わせた一句です。秋櫻子らしい音楽的でリリカルな感性が発揮されており、音と風が互いに浸透し合うような感覚を通して、秋の夜の純度の高い澄明さを鮮やかに描き出しています。
竪琴を爪弾く指や秋の風
桂信子【現代語訳】竪琴の弦をつま弾いている指先に、秋の風がふわりと触れて吹き抜けてゆく。 【鑑賞】立琴を奏でる指先の白さや繊細な動きに焦点を当て、そこに秋風の気配を取り合わせた女性らしい繊細な句です。かすかな風の肌触りと、立ちのぼる澄んだ音色が一体となり、秋の静けさと艶やかさを漂わせています。

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