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「蓼の穂(たでのほ)」は、秋にタデ科の植物(イヌタデやヤナギタデなど)が咲かせる、粒のような小さな花がつらなった穂状の花姿を指す仲秋の季語です。「蓼食う虫も好き好き」の諺で知られる辛味のあるヤナギタデや、道端でよく見かける赤紫色の粒粒が「赤まんま」として親しまれるイヌタデなどが含まれます。秋が深まるにつれ、水辺や野道に紅や薄紅、あるいは白っぽい小粒の穂がひっそりと揺れる様子は、素朴でどこか哀愁を感じさせ、日本の秋の原風景を象徴する風情があります。
「蓼の穂」を詠む際は、その小粒な花が集まる繊細な形状や、鮮やかな赤・薄紅の色彩に着目するのが効果的です。豪華な秋の花とは異なり、雑草のように路傍や水辺にそっと群生する素朴さが魅力です。雨や朝露に濡れた粒の輝き、澄んだ秋の光の射し方、あるいはさらさらと流れる小川の水音など、周囲の静けさや自然の移ろいと対比させることで、小さな存在感を引き立たせることができます。
・色彩・光:「紅(くれない)」「赤」「露」「うす日」「夕影」 ・水辺や景情:「小川」「せせらぎ」「野道」「水音」「土手」 ・天候・気配:「秋雨」「夕風」「暮れて」「静けさ」
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