住吉の神送

住吉の神送

すみよしのかみおくり

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意味・由来

「住吉の神送(すみよしのかみおくり)」は、晩秋(陰暦十月)の季語です。日本では神無月(十月)になると全国の八百万の神々が出雲大社へと旅立つと信じられており、各地の神社で神々を送り出す「神送(神送祭)」が行われます。その中でも、航海安全・和歌の神として名高い摂津国(現在の大阪市)の住吉大社で行われる神送りの行事は古くから名高く、特異な風情を持つ季語として定着しました。海に近く、白砂青松の美しい住吉の地から神々が旅立っていく様子は、秋の深まりと厳かな神秘性を強く感じさせます。

この季語で詠むコツ

住吉の象徴である「松」「海」「反橋(太鼓橋)」などの情景と、神々が立ち去る寂寥感・厳粛さを響き合わせるのがポイントです。神送りの神事は夜に行われることも多いため、かがり火、夜風、秋の月や雨などを取り入れると、厳かな情景が際立ちます。単なる行事の描写にとどまらず、神を見送る人々の敬虔な祈りや、神が去った後の凛とした静けさに焦点を当ててみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・情景:松風、住吉の松、反橋、夜の雨、かがり火、潮騒、秋の月 ・心情・動作:見送る、静まる、更けゆく、祈り、厳か、旅立ち

住吉の神送」の俳句例 (3件)

神送る住吉の松の嵐かな
宝井其角【現代語訳】住吉の神々が出雲へと旅立たれる今宵、住吉の松原には激しい嵐のような風が吹き抜けていることよ。 【鑑賞】神々が住吉の社を立ち去る瞬間の神威を、松原を吹き抜ける激しい風(嵐)に託してダイナミックに詠み上げた句です。神の旅立ちを自然現象と結びつけ、荘厳で神秘的な夜の気配を力強く描き出しています。
神送住吉の松夜もすがら
松窓乙二【現代語訳】住吉の神送りの夜、住吉の松に吹く風の音が夜通し響き渡っている。 【鑑賞】神送りの神事が執り行われた住吉大社の夜の情景を、名高い松の風音とともに捉えた一句です。「夜もすがら(一晩中)」という言葉により、神々を見送る厳粛な時間の長さと、神去りし後の松原に満ちる静寂と冷気を感じさせます。
神送り住吉の夜を更かしけり
三宅嘯山【現代語訳】住吉大社の神送りを見届けるうちに、住吉の秋の夜はすっかり更けてしまった。 【鑑賞】神送りの祭事に参加し、あるいはその神聖な気配に身を浸しながら、時の経つのも忘れて夜を過ごす作者の敬虔な心情が詠まれています。住吉の晩秋の冷涼な空気感と、厳かな余韻が美しく伝わってきます。

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