酔芙蓉

酔芙蓉

すいふよう

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意味・由来\n酔芙蓉(すいふよう)は、秋に咲くアオイ科の花「芙蓉」の園芸品種です。朝咲いたときは純白ですが、日中の光と時間の経過とともにピンク色へと変わり、夕方から夜にかけては艶やかな紅色に染まって萎みます。この花色が変化していく様子を、酒に酔って顔が赤らんでいく姿に見立てて「酔芙蓉」と名付けられました。朝の清純さ、昼の華やぎ、そして夕暮れの哀愁という、一日のうちに移ろうドラマチックな変化が人々の心を捉えて離さない、風情あふれる秋の季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n酔芙蓉を詠む際は、その「刻一刻と移ろう色彩の変化」や「一日の儚さ・時間の経過」に焦点を当てるのが王道です。朝の白さを詠んで清々しさを出すか、夕方の紅を捉えて妖艶さや哀切を描くかによって句のトーンが大きく変わります。また、花が色づく様を人の情愛や恥じらい、人生の黄昏などと重ね合わせるのも効果的です。「酔」という字面にとらわれすぎず、光の移ろいや風の気配など、周囲の秋の景観と調和させることで、より陰影の深い句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・時間帯を表す言葉(朝晴、真昼、夕影、たそがれ、夕餉)\n・色や光に関する言葉(純白、薄紅、夕日、夕茜、陰る)\n・動作・感情に関する言葉(酔ふ、醒む、畳む、染まる、ためらふ)\n・秋の情感を伝える言葉(秋風、庭下駄、白壁、水音)

酔芙蓉」の俳句例 (3件)

酔芙蓉まひるの酒のうつくしき
桂信子【現代語訳】昼間からほろ酔うようにほんのりと色づいていく酔芙蓉の花、その昼の酒のなんと美しいことだろう。\n【鑑賞】白から薄紅へと染まり始めた真昼の酔芙蓉の姿を、昼酒をたしなむ大人の艶やかな美しさに重ね合わせた一句。女性俳人ならではの繊細で色香のある視線が光ります。
酔芙蓉きのふの紅を畳みけり
橋本多佳子【現代語訳】酔芙蓉が、昨日の夕方に赤く染まった花びらを静かに畳んで萎んでいることだ。\n【鑑賞】前日に赤く咲き誇り、一夜明けてしぼんでしまった花の姿を「畳みけり」と表現しました。華やかな宴の後のような静けさと、一日花ならではの無常感が鮮やかに切り取られています。
酔芙蓉紅さして風立ちにけり
角川源義【現代語訳】酔芙蓉の花が夕暮れに向かって紅く染まり始めたころ、折しも冷ややかな秋風が吹き渡ってきた。\n【鑑賞】花の色の変化(時間の経過)と、夕暮れとともに吹き始めた秋風の触覚を結びつけた端正な名句です。紅の鮮やかさと風の冷たさが対比され、秋の深まりを感じさせます。

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