秋燕忌

秋燕忌

しゅうえんき

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意味・由来 秋燕忌(しゅうえんき)とは、昭和期を代表する俳人・大野林火(おおのりんか)の命日である8月21日を指す秋の季語(忌日季語)です。「林火忌(りんかき)」とも呼ばれます。大野林火は臼田亜浪に師事し、俳誌『濱』を主宰して抒情性と生活感を融合させた温かみのある人間味豊かな句を多数残しました。彼が晩年に好んで詠み、自身の代表句の題材でもあった南へ渡りゆく燕「秋燕(しゅうえん)」にちなんで、その徳と作品世界を偲び「秋燕忌」と呼ばれるようになりました。 ### この季語で詠むコツ 大野林火の俳風である「豊かな抒情」「自然への温かな眼差し」「人の情愛や哀愁」などを意識すると、季語の背景にある心情が引き立ちます。晩夏から初秋へと移ろう空の広がりや夕暮れの寂寥感、風の匂いなど、秋燕忌ならではの季節感と故人を追悼する気持ちを重ね合わせて詠むのがポイントです。感傷的になりすぎず、澄み渡る秋の情景の中に静かな追慕の念を滲ませると格調高い一句になります。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ ・空・雲・夕映え(「夕茜」「秋夕焼」「青空」など、秋燕が飛び去る広大な空を思わせる言葉) ・海・波・山河(林火が愛した横浜や各地の自然景観を表す言葉) ・風・光(「秋風」「初秋の光」など季節の移ろいを感じさせる語)

秋燕忌」の俳句例 (3件)

秋燕忌空の青さの耐へがたし
鷹羽狩行【現代語訳】大野林火先生を偲ぶ秋燕忌の日、仰ぎ見る秋空があまりにも澄んで青く、師を失った悲しみに耐えがたいほどである。【鑑賞】大野林火の忌日に見上げた初秋の空の圧倒的な青さと、亡き師への深い喪失感・追慕の念を見事に対比させた名句です。
秋燕忌海を離れぬ雲低し
能村登四郎【現代語訳】秋燕忌の今日、海原を離れようとしない低く垂れ込めた雲が漂っている。【鑑賞】林火ゆかりの地である海辺の情景を詠んだ一句。低く垂れる雲の重さに、追悼のしめやかな心境が重ね合わされています。
秋燕忌母の山河に暮れなづむ
村越化石【現代語訳】林火先生の命日である秋燕忌の夕暮れ、母のいる故郷の山河がなかなか暮れきらずに静かに佇んでいる。【鑑賞】師である大野林火への哀悼とともに、自らの原点である母や故郷への思慕を夕暮れの情景に託してしみじみと詠み上げています。

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