泉涌寺舎利会

泉涌寺舎利会

せんにゅうじしゃりえ・せんゆうじしゃりえ

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意味・由来

「泉涌寺舎利会(せんにゅうじしゃりえ)」は、京都・東山にたたずむ皇室ゆかりの御寺(みてら)・泉涌寺(せんにゅうじ)で、毎年秋(旧暦十月八日、現在は十月第二月曜日など)に行われる仏舎利(釈迦の遺骨・仏歯)の開扉供養の法会を指す秋の季語です。「舎利会」の傍題としても親しまれています。 宋代に俊蘂(しゅんじょう)の弟子・湛海が持ち帰ったと伝えられる仏舎利が、この日ばかりは舎利殿で一般にも開帳され、多くの参詣者が訪れます。深閑とした東山の秋の自然と、古刹の荘厳な宗教儀礼が融け合う、静けさと尊さに満ちた季語です。

この季語で詠むコツ

「泉涌寺」が皇室菩提寺であることから漂う高貴な品格と、深まる秋の寺院の風情を丁寧に捉えるのがポイントです。参詣する人々の厳かな姿や足音、香煙の匂い、あるいは舎利殿の薄暗がりと蝋燭の光の対比など、五感を生かした描写が効果的です。また、「舎利会」そのものが静謐な仏事であるため、派手な表現を避け、余情や静寂を醸し出す言葉選びを意識すると格調高い一句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚:御寺(みてら)、木立、杉木立、紅葉、薄紅葉、夕日、灯影(ほかげ)、石段 ・聴覚:読経、鉦(かね)、鐘の音、衣擦れ(きぬずれ)、秋風、鳥の声 ・情景・心情:暮れ早し、静寂、厳か、御山(みやま)、参詣、香煙

泉涌寺舎利会」の俳句例 (3件)

舎利会や山ふところに暮れかかり
清崎敏郎【現代語訳】舎利会が行われている寺の境内を包む東山のふところは、早々と秋の日の暮色に包まれようとしている。 【鑑賞】仏舎利の開帳に集う人々の熱気や荘厳な空気の後、山寺特有の秋の暮れやすさがしんしんと迫ってくる情景を簡潔に描写した名句です。「山ふところ」という温かみと幽玄さを併せ持つ言葉によって、寺院を抱く東山の深さと、日没に伴う冷涼な秋の気配が見事に際立っています。
舎利会や月を仰いで山下る
高浜年尾【現代語訳】舎利会の法要を終えて山を下りゆく折、ふと見上げると澄み渡る秋の月が輝いていた。 【鑑賞】法要の厳粛な感動を心に宿しながら寺を辞し、下り坂で澄み切った秋の月を仰ぐ参詣者の清々しい心境が詠まれています。仏舎利を拝んだ後の満たされた静寂感と、夜空に冴える月光とが響き合い、季語の持つ気品をストレートかつ爽やかに伝えています。
舎利会や御寺の奥の秋の風
阿部みどり女【現代語訳】舎利会が営まれている泉涌寺の奥深い木立から、身に染みる秋の風が吹き抜けてくる。 【鑑賞】泉涌寺の通称である「御寺(みてら)」の格調を活かした一句です。皇室ゆかりの格式高い堂宇のさらに奥、鬱蒼とした木立を抜けて吹き渡る秋風に、季節の深まりと仏事の神聖さを重ね合わせています。静謐な寺院の佇まいが風の一筋を通して鮮やかに感じられます。

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