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「真葛(さねかずら)」は、マツブサ科の常緑つる性木本で、山野の林縁などに自生します。「実葛」とも書き、古くから親しまれてきた植物です。つるから粘液をとって整髪料(鬢付け油の代用)に使ったことから「美男葛(びなんかずら)」の別名もあります。 秋になると、雌花の後についた多数の球状の液果が真っ赤に熟し、鮮やかな房状の実を結びます。百人一首の三条右大臣の歌「名にし負はば逢坂山のさねさしもしらにおろさるらん(逢ふことも逢坂山のさねかずら)」でも知られるように、「さ寝(共に寝る)」の掛詞としても愛されてきた、艶やかさと風情を併せ持つ秋の季語です。
真葛の最も際立つ特徴は、秋に色づく艶やかで丸い「赤い実」と、複雑に絡み合う「つる(蔓)」の形状です。 詠む際は、深い緑の葉の中に灯るような鮮やかな赤色の実の美しさに焦点を当てるか、絡み合う蔓が醸し出す古風で少し寂びた風情に着目すると良いでしょう。寺社の境内や古びた垣根、山道といった情緒ある背景と取り合わせることで、王朝文学以来の優美な余韻を句に宿らせることができます。
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