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「常盤通草(ときわあけび)」とは、アケビ科の常緑つる性植物である「郁子(むべ)」の別名です。秋に落葉する一般的なアケビとは異なり、一年中青々とした葉を保つことから「常盤(常に変わらない緑)」の名が冠されています。春になると、深い緑色の葉の陰に、白が混ざる淡い紫色の鐘形の花をひっそりと咲かせます。秋に実が熟してもアケビのように口を開かない特徴がありますが、俳句では主に春に咲くこの風情ある花を指して季語として用います。
常緑の濃い緑色の葉と、そこに寄り添うように咲く清楚で控えめな花との色彩の対比を描くのが大きなポイントです。山野の木々に絡みついて自生する姿のほか、庭木や垣根に這わせている風景も見られます。木漏れ日や山風、古びた石垣や静かな山寺のたたずまいなど、落ち着いた背景と合わせることで、派手さはないものの奥ゆかしい春の気配を巧みに表現することができます。
・木漏れ日、谷あいの道 ・古垣、石垣、格子戸 ・ほのか、かすか、淡し、うつむく ・深緑、青葉、風の音