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「扇ねぶた(おうぎねぶた)」は、主に青森県弘前市の「弘前ねぷたまつり」などで運行される、扇の形をした巨大な灯籠(山車)を指す秋の季語です。青森市の人形ねぶたが立体的で躍動的な「動」の迫力を持つのに対し、弘前の扇ねぶたは平面的な扇型の中に勇壮な武者絵(表の鏡絵)と、哀愁漂う美人画や幽霊画(裏の見送り絵)が描かれ、「静と動」「光と影」の深い情趣を醸し出します。夜の城下町を「ヤーヤドー」の掛け声とともに練り歩く姿は、北国の短い夏の終わりと初秋の訪れを強く感じさせます。
扇ねぶたの最大の魅力は、扇の「表」と「裏」で絵柄や雰囲気ががらりと変わるドラマ性にあります。正面の勇壮な武者絵が通り過ぎた後に現れる、裏面のしっとりとした見送り絵の美しさや哀愁に焦点を当てると、奥行きのある句になります。また、漆黒の夜闇と浮かび上がる鮮やかな灯火のコントラスト、通り過ぎた後の静けさや夜風の冷涼感を捉えるのも効果的です。
・色彩・光:見送り絵、鏡絵、墨色、朱(あか)、灯(ひ)、闇、城下 ・情景・動作:去りゆく、揺らぐ、照らす、見送る、囃子、掛け声 ・心情・感覚:哀し、寂けさ、名残、夜風、冷やか
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