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「茶摘時(ちゃつみどき)」とは、新茶となる柔らかな新芽を摘み取る季節やその時節を指す春の季語です。唱歌「茶摘み」の歌詞にある「夏も近づく八十八夜」の通り、立春から数えて八十八日目(現在の五月初旬頃)にあたる晩春のころ、全国の茶所では活気に満ちた茶摘みの風景が広がります。古くから一番茶は不老長寿の縁起物としても親しまれており、豊かな大地の恵みと、春が深まり初夏へと移り変わる時期の生き生きとした生命力を感じさせる言葉です。
茶摘時を詠む際は、茶畑の鮮やかな萌黄色や段々畑の幾何学的な美しさといった「視覚」、摘みたての生葉の清々しい青い匂いという「嗅覚」、茶摘み籠に葉が擦れる音や茶摘み歌などの「聴覚」といった五感を意識することがポイントです。また、単に風景を切り取るだけでなく、働く人々の茜襷(あかねだすき)や手元の素早さ、あるいは山里ののどかな空気感と農繁期の賑わいとの対比を描くと、情景に奥行きが生まれます。
・山里(やまざと)、段々畑、畝(うね) ・茜襷(あかねだすき)、手籠(てかご)、菅笠(すげがさ) ・指先、青空、朝靄(あさもや)、やわらかき風