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「落鰻(おちうなぎ)」とは、秋の彼岸を過ぎる頃から初冬にかけて、産卵のために川を下って海へと向かう鰻のことです。「下り鰻(くだりうなぎ)」とも呼ばれます。春から夏にかけて川や湖沼で十分に栄養を蓄えた鰻は、銀黒色に輝き脂が乗っています。川の増水や夜の闇に乗じて一気に下流を目指すその生態から、川瀬に「簗(やな)」を仕掛けて一網打尽にする漁が古くから行われてきました。自然の摂理と季節の推移、川の生業が凝縮された晩秋の季語です。
落鰻を詠む際は、鰻そのものの姿を直接描写するだけでなく、鰻が下っていく「環境」や「気配」を描くのが効果的です。秋の長雨による川の濁り、冷え込む夜の気配、簗を打つ水音、捕獲する漁師の手元の灯りなど、視覚や聴覚を研ぎ澄ませた情景描写と組み合わせると、秋の深まりや命の旅立ちの哀感が鮮やかに立ち上がります。
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