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「野茨の実(のいばらのみ)」は、山野や川原などの藪に自生するノイバラが、秋に赤く熟した果実のことです。初夏に咲く清楚で香りのよい白い花が散ったあと、晩秋から冬にかけて、葉を落としたトゲだらけの細い枝先に直径数ミリから1センチほどの丸い実をたくさん実らせます。漢方では「営実(えいじつ)」と呼ばれ薬用にも用いられてきました。草木が枯れ色に染まる寂しい荒野の中で、宝石のように小さく艶やかに赤らむ姿は、深まる秋の哀愁や静寂を美しく際立たせます。
野茨の実は、豪華な果実ではなく、野趣にあふれた小さく素朴な風情が持ち味です。そのため、周囲の乾いた草地、川原の石原、傾きかけた秋の淡い日差しといった「寒々とした背景」や「静けさ」と対比させると、その赤さが一段と引き立ちます。トゲのある枝や乾いた梢の質感を描写したり、夕暮れの斜光、通り抜ける秋風などの光や風の動きと響き合わせたりすると、晩秋の情感が深く立ち上がります。
・光や影(秋日、夕日、斜光、薄日、日だまり) ・場所・情景(川原、畦道、枯野、石くれ、藪、雑木林) ・色彩・質感(深紅、朱、まろやか、刺、とげ、からみあふ)
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