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「妙法の火」は、京都の伝統行事である「五山送り火」の一つで、松ヶ崎の西山(万寿寺山)に「妙」、東山(大黒天山)に「法」の字が点火される送り火のことです。お盆に迎えた先祖の精霊を見送る盂蘭盆会の行事であり、俳句では秋の季語となります。日蓮宗の霊場である松ヶ崎の信徒たちによって守り継がれてきた題目「南無妙法蓮華経」に由来し、仏の教えへの祈りと先祖への敬慕が込められた、厳かで美しい灯火です。
「大文字」の圧倒的な迫力に比べ、「妙」と「法」の二つの山に灯る火は、どこか優美で落ち着いた静けさを感じさせます。詠む際には、炎そのものの鮮やかさだけでなく、暗闇に浮かび上がる文字の佇まいや、山麓を吹き抜ける初秋の夜風、遠くから眺める京の街の静けさといった周囲の情景と組み合わせると効果的です。また、祈りを捧げる人々の心の動きや、火が次第に消えゆく寂寥感を捉えることで、深みのある一句になります。
・松ヶ崎(まつがさき) ・夜風(よかぜ) ・遠嶺(とおみね) ・祈り(いのり) ・煙(けむり) ・闇(やみ)