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「菜間引く(なまびく)」は、秋に大根や蕪、小松菜などの種を蒔いた後、密集して生えそろった若芽のうち、育ちの悪いものを間引いて株と株の間隔を整える作業を指す秋の季語です。間引いた幼い若菜は「間引き菜」と呼ばれ、お味噌汁の具やおひたしとして無駄なく食卓に上がります。豊かな収穫を迎えるための欠かせない農作業でありながら、選別して命を摘み取るという少しの切なさや、土と新芽の爽やかな青々しさを感じさせる情感豊かな季語です。
畑での手作業に焦点を当てるため、指先の感覚や土の匂い、青い草の香りをリアルに描写すると臨場感が出ます。間引く作業の「選別の哀れさ」に寄り添うのも一興ですが、虚子のように淡々と命の循環として捉える視点も俳味を生みます。また、作業をする夕暮れ時の光、冷たさを増してきた秋風、しゃがみこむ人の姿勢など、視覚や触覚のディテールを巧みに組み合わせることで、秋の実りと労働の美しさを鮮やかに表現できます。
・身体感覚や五感の語:「指の先」「土の香」「青み」「爪」「濡るる」 ・秋の気配・時間帯:「夕日」「秋風」「夕暮れ」「暮色」「雲」 ・生活感のある具象物:「笊(ざる)」「畝(うね)」「井戸水」「台所」
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