秋の昼

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意味・由来\n「秋の昼」は、秋の日の昼間の時間帯を指す時候の季語です。夏の厳しい暑さが和らぎ、空は高く澄み渡り、心地よい日差しと爽快な空気に包まれます。春の昼の「のどかさ」や夏の昼の「炎暑」とは異なり、どこか静けさや落ち着き、そして短い秋の日の訪れを予感させる一抹の寂しさが漂うのが特徴です。生活の場での静かな営みや、屋外の澄んだ光景を捉えるのに適しています。\n\n### この季語で詠むコツ\n秋の昼が持つ「静けさ」「透明感のある光」「微かな寂寥感」に着目してみましょう。明るく穏やかな時間でありながら、どこか物悲しい空気や、時計の針の音、障子に射す影、読書や手仕事の様子など、日常の細やかな情景を切り取ると情感が深まります。また、青空や水辺の広々とした風景と取り合わせて、清澄な空気感を表現するのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 光や影の表現(「日ざし」「木漏れ日」「障子の影」「畳の照り」など)\n- 静けさを際立たせるもの(「柱時計」「針の音」「古本」「微睡み」など)\n- 広がりや澄んだ風景(「湖」「街道」「空の青」「遠山」など)

秋の昼」の俳句例 (3件)

淋しさにまた飯くふや秋の昼
正岡子規【現代語訳】ふと込み上げてくる寂しさのあまり、またご飯を食べてしまうことだ、この静かな秋の昼間に。\n【鑑賞】病床にあった子規の旺盛な食欲と、その裏にある病気の孤独や生の寂寥感がユーモラスかつ切実に表現された名句です。澄み渡る「秋の昼」の静けさが、作者の心理をより際立たせています。
秋の昼湖をわたる舟一つ
高浜虚子【現代語訳】澄んだ秋の昼下がり、静かな湖面をただ一艘の舟が渡っていく。\n【鑑賞】広々とした秋の風景を、極めて簡潔な客観描写で捉えた一句です。静まり返った湖と澄んだ大気、そしてぽつんと進む舟の姿が、秋の昼特有の澄明さと微かな孤独感をくっきりと描き出しています。
秋の昼妻に声なく縫ひ物す
石田波郷【現代語訳】穏やかな秋の昼、妻は一言も声を発することなく静かに縫い物をしている。\n【鑑賞】生活のひとコマを静かに写し取った句です。夫婦の間に漂う穏やかな信頼感と、秋の昼間の静寂が重なり合い、針の運ぶ気配さえ聞こえてきそうな深い落ち着きを感じさせます。

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