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「水無月(みなづき)」は旧暦六月の異称で、俳句では夏の季語です。「無」は「の」を表す助詞「な」とされ、「水の月」、つまり田に水を引く大切な月という意味が本来の由来といわれています。また、暑さによって水が涸れ尽きる月という解釈もあります。旧暦の六月は現在の六月下旬から八月上旬頃にあたり、梅雨の湿り気から本格的な猛暑へと移り変わる盛夏の季節感を持ちます。なお、京都などを中心に六月三十日の夏越の祓に無病息災を願って食べる、三角形のういろうに小豆を散らした和菓子の名としても広く親しまれています。
単なる暦の数字や記号として扱うのではなく、一年の半分が過ぎる節目の感慨や、本格的な暑さに向かう気配を込めて詠むのがコツです。水田を渡る風や、青空の広がり、梅雨の合間の強い日差しなど、水や光の表情と響き合わせると情景が鮮やかに立ち上がります。また、和菓子の水無月を取り上げる際は、氷をかたどった涼しげな形や小豆の素朴な味わいに着目し、生活感や季節の祈りを添えると味わい深い一句になります。