草鴫
autumn 植物

草鴫

くさしぎ

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意味・由来\n「草鴫(くさしぎ)」は、チドリ目シギ科に分類される渡り鳥で、秋になるとシベリアなどの北方から日本へ渡ってきます。体長は20センチメートルほどで、背中が暗緑褐色に白い斑点があり、お腹側が白いのが特徴です。その名の通り、干潟や湿地だけでなく、刈り取りを終えた田んぼ(刈田)や河原の草むらなどに好んで生息します。保護色によって周囲の泥や草にうまく溶け込んでいるため、静止しているときは見つけるのが非常に困難な鳥です。\n\n### この季語で詠むコツ\n草鴫を詠む際は、その「ひそやかさ」と「突然の動き」に注目するのがコツです。普段は草に紛れて気配を消していますが、人の気配を察知すると、鋭い声とともに一気に飛び立ちます。この「静から動への劇的な変化」や、鳥が去ったあとに取り残された空間の「寂しさ」を切り取ると、秋の深まりを感じさせる優れた句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n* 水辺の情景を表す言葉(刈田、泥水、湿地、波紋、夕日)\n* 静寂や気配を感じさせる言葉(ひそか、かすか、不意に、立ちて)\n* 秋の気象(秋風、小雨、薄曇り、夕暮れ)

草鴫」の俳句例 (3件)

草鴫のたちてひそけき刈田かな
水原秋桜子【現代語訳】草鴫が羽ばたいて飛び去ったあと、刈り入れの終わった田んぼには、いっそう深い静けさが広がっていることよ。【鑑賞】鳥が飛び立つという一瞬の動的な変化を通して、秋の刈田が持つ静寂と寂しげな風情を際立たせた名句です。草鴫のひそやかな生態と、日本の秋の原風景が見事に調和しています。
草鴫の立ちて水輪のひろごりぬ
高浜虚子【現代語訳】水辺にいた草鴫が飛び立ち、その足元から水面に波紋が静かに広がっていった。【鑑賞】客観写生を重視した虚子らしい一句です。草鴫が飛び立った瞬間と、その後に水面に残された「水輪(波紋)」の広がりを凝視することで、秋の水辺の静けさと、時間の静かな経過を美しく表現しています。
草鴫のたちしあとの濁り水
大野林火【現代語訳】草鴫が勢いよく飛び立ったあとの水辺には、濁った水だけがただ揺れている。【鑑賞】草鴫が泥深い水辺に隠れていたことを、飛び去ったあとの「濁り水」という即物的な描写で表現しています。鳥の気配が消えたあとに残る、秋特有の寒々しい寂寥感がリアルに伝わってくる句です。

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