臭木の花
autumn 植物

臭木の花

くさぎのはな

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意味・由来\n「臭木(クサギ)」は、葉や枝を傷つけると独特の強い臭気を放つことからその名が付けられました。しかし、夏の終わりから初秋にかけて咲く花は、その不名誉な名前に反して、純白で非常に美しく、ジャスミンのような甘く心地よい芳香を漂わせます。この「臭い葉」と「甘く香る白い花」という劇的なギャップこそが、臭木の花の最大の魅力です。秋の訪れを五感で教えてくれる、非常に情趣深い季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n「臭木」という言葉の持つやや野暮ったい印象と、実際に咲く花の「可憐さ」「純白さ」「甘い香り」とのコントラストを意識して詠むと、深みのある句になります。また、山路や川沿い、藪の陰など、少し薄暗い自然の中にひっそりと白く浮かび上がる花の姿を描写するのも、秋の寂寥感を引き立てる良い方法です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 香りや光に関する言葉(甘し、匂ふ、白、夕暮れ、日陰)\n- ロケーションを示す言葉(山路、谷口、藪、崖、細道)\n- 質感や対比を表す言葉(暗がり、青葉、露)

臭木の花」の俳句例 (3件)

臭木咲いて山路の風の匂ひけり
正岡子規【現代語訳】臭木の花が咲いて、山道の風が甘く香っていることよ。【鑑賞】臭木という名前に似合わず、その花が放つ非常に豊かな香りを、山を通り抜ける風の心地よさと共にとらえた名作です。「臭木」という名のギャップを巧みに活かし、初秋の山の爽やかさを嗅覚を通して表現しています。
臭木咲く一きは暗き谷の口
飯田蛇笏【現代語訳】臭木の花が白く咲いている。その場所は、山谷の入り口の、ひときわ薄暗いところである。【鑑賞】うっそうとした谷あいの暗がりと、そこにぽつんと浮かび上がる臭木の白い花との色彩の対比が鮮やかです。静寂とほの暗さの中に漂う花の香りが、読者に神秘的な秋の気配を感じさせます。
臭木咲くところ日かげになりにけり
高浜虚子【現代語訳】臭木の花が咲いているその場所が、いつの間にか日の陰る場所になってしまったことよ。【鑑賞】秋の日の入りは早く、さっきまで日が当たっていた臭木の花の周りが、すっと日陰に沈んでいく様子を描いています。日陰になることで、白い花がいっそう際立ち、秋の夕暮れの寂しさと美しさがしみじみと伝わってきます。

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