草泊
autumn 植物

草泊

くさどまり

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意味・由来

「草泊(くさどまり)」とは、旅の途中で宿が取れず、あるいは目的を持って野原や草むらで夜を明かす「野宿」や「露宿」を意味する秋の季語です。古来の和歌で詠まれた「草枕」の情趣を受け継ぎ、俳諧では特に秋の夜の冷え込みや露、風の音、虫の音などとともに、旅人の孤独や侘しさを表す言葉として定着しました。秋が深まるにつれ、草木が枯れ始め夜露や霜が降りる厳しい自然の中で身を縮めて眠る切なさが込められています。

この季語で詠むコツ

「草泊」を詠む際は、五感を通じた周囲の秋の気配を描き出すことがポイントです。肌を刺すような「夜寒」や「露の冷たさ」、静寂の中で際立つ「虫の声」や「風の音」、見上げた空に広がる「星や月」などを取り合わせることで、旅寝の侘しさと風情が一段と引き立ちます。単に野宿の辛さを述べるだけでなく、自然と一体となる寂寥感や澄み切った心境を表現すると趣深い句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 天候・天体:秋の雨、夜寒、秋風、名月、星月夜、露、霜
  • 旅の道具:杖、笠、合羽、草鞋、野分
  • 自然・情景:虫の声、萩、芒(すすき)、枯野、犬の声

草泊」の俳句例 (3件)

草泊り笠に落つるや萩の露
各務支考【現代語訳】草むらで夜を明かしていると、枕元に置いた編笠の上に萩の露がぽとりと落ちてきた。 【鑑賞】秋の風物詩である萩の花からこぼれ落ちる夜露の音や感触を捉え、野宿の静けさと繊細な情趣を美しく描き出した一句です。
草泊り星の流るる夜寒かな
加舎白雄【現代語訳】草むらで野宿をしていると、澄みきった夜空を流れ星がすっと通り過ぎていき、いっそう寒さが身に染みることだ。 【鑑賞】頭上に広がる広大な星空と流れ星の一瞬の光を描くことで、地上の寒さと旅寝の一人きりの静寂を鮮明に対比させています。
草泊り犬もなきけり秋の雨
松尾芭蕉【現代語訳】草むらで野宿をしていると、冷たい秋の雨が降りしきる中、遠くで犬の声が寂しげに響いてくることだ。 【鑑賞】冷たい秋雨の中での野宿という心細い境遇において、遠くから聞こえる犬の鳴き声が、旅人の孤独感と人恋しさを一層際立たせています。

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