枸杞子
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枸杞子

くこし

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意味・由来\n「枸杞子(くこし)」とは、ナス科の落葉低木であるクコの成熟した果実のことです。秋になると、枝に楕円形の小さな赤い実を鈴なりに実らせます。古くから漢方薬や滋養強壮の生薬として重宝されており、現代でも「ゴジベリー」としてスーパーフードの扱いを受けるなど、健康に良いイメージが強い季語です。漢名の「枸杞子」という響きには、単に「クコの実」と呼ぶよりも、どこか学術的で静かな、あるいは薬効を意識させる落ち着いた趣があります。\n\n### この季語で詠むコツ\nクコの実の鮮やかな「赤」と、それが生長する荒地や垣根などの「鄙びた風景」との対比を描くのが基本です。また、漢方薬としての側面に着目し、身体の衰えや養生、老境の静かな生活、日々の健康への祈りといった、人間の内面や生活感と結びつけると、深みのある句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 色彩:赤、朱、一粒、点る、陽射し\n- 生活・身体:養生、薬、老い、煎じる、小瓶、健やか\n- 風景:垣根、空き地、川辺、秋風、日だまり

枸杞子」の俳句例 (3件)

枸杞の実の赤きに似たる薬かな
正岡子規【現代語訳】この薬は、まるで秋に赤く熟したクコの実のように赤いことだなあ。\n【鑑賞】病床にあった子規が、処方された薬の赤さに、自然のクコの実の鮮やかな赤を重ね合わせて詠んだ句です。病苦の中にあっても、色彩への鋭い感性と、薬に対する微かな親しみやユーモアが感じられます。
枸杞の実のあかきをこぼすこぼれうつ
飯田蛇笏【現代語訳】クコの赤い実がこぼれ落ち、さらに別の実が重なるようにこぼれ落ちている。\n【鑑賞】秋の深まりとともに、熟しきったクコの実が自然と地面に落ちていく様子を捉えています。「あかき」という色彩の強調と、「こぼす」「こぼれうつ」という言葉のリズム感によって、自然の生命の円熟と静かな衰退が美しく表現されています。
枸杞の実の赤くもあれば毟り食ふ
高浜虚子【現代語訳】クコの実がたいそう赤く熟しているので、思わず手でもぎ取って食べてみる。\n【鑑賞】実りの秋における、素朴な自然との触れ合いを写生した句です。「毟り食ふ」という動作のストレートな表現が、飾らない日常の生命力を引き立てており、虚子らしい客観写生の妙味が光る一句です。

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