在芝居
autumn 生活

在芝居

ざいしばい

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意味・由来

「在芝居(ざいしばい)」とは、農村や地方の集落(=「在(ざい)」)で行われる素朴な芝居のことです。主に秋の収穫感謝祭や神社の祭礼に合わせて催され、旅回りの一座を招いたり、村人自身が役者となって演じる地芝居・村芝居を指します。収穫の喜びや農作業の労をねぎらう秋ならではの風物詩であり、都会の大歌舞伎とは異なる、手作り感あふれる温かみや土着の賑わいが大きな魅力です。

この季語で詠むコツ

舞台の豪華さよりも、地方ならではの素朴な情景や人間味に焦点を当てると生き生きとした句になります。化粧の下に見える見知った村人の顔、筵(むしろ)を敷いてぎっしり座る観客の熱気、秋の夜風が吹き抜ける仮設小屋の寒さ、終演後に提灯の灯りを頼りにあぜ道を帰る人影など、五感を使った具体的な描写を取り合わせるのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚:提灯(ちょうちん)、筵(むしろ)、白粉(おしろい)、神社の境内、あぜ道 ・聴覚:太鼓の音、掛け声、拍子木、ざわめき、虫の声 ・情景・心情:夜寒(よさむ)、秋風、豊作、村の衆、名残惜しさ

在芝居」の俳句例 (3件)

在芝居客の跣の白きかな
高浜虚子【現代語訳】在芝居を見に来ている観客の、素足の白さが目に留まることだ。 【鑑賞】農作業の手を休めて集まった村人たちが、筵の上に座って熱心に芝居を見入っている様子を捉えています。薄暗い芝居小屋の中で、観客の無防備な素足の白さがくっきりと浮かび上がり、地方の芝居ならではの気取らない寛いだ空気感が鮮やかに描かれています。
在芝居果てて提灯ちりぢりに
正岡子規【現代語訳】村の芝居が終わり、客たちが持つ提灯の明かりがそれぞれの方角へと散らばっていく。 【鑑賞】芝居の熱気が引いた後の秋の夜の静けさと寂しさを美しく描いた句です。一つの場所に集まっていた提灯の光があぜ道や山道へと散り散りに遠ざかっていく様子から、祭りの終わりの余韻と秋の深まりがしみじみと伝わってきます。
在芝居太鼓のひびく夜寒かな
正岡子規【現代語訳】在芝居の呼び込みや劇中の太鼓の音が響き渡る、肌寒い秋の夜であることだ。 【鑑賞】秋の冷気(夜寒)が立ち込める農村に、芝居の太鼓の音が響き渡る情景を詠んでいます。太鼓の力強い響きと、張り詰めた秋の夜の冷たさという対比が、秋祭りの活気と季節の移ろいを同時に感じさせます。

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