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庚申薔薇は、中国原産のバラ科の常緑または半常緑低木で、現代の四季咲きバラの重要な原種となった植物です。「庚申」とは干支の組み合わせで六十日ごとに巡ってくる日のことで、およそ二ヶ月ごとに繰り返し花を咲かせる性質があることからこの名が付きました。別名として「月季花(げっきか)」とも呼ばれます。四季を通して咲く花ですが、俳句においては春のみずみずしい息吹とともに咲き始める姿を愛で、春の季語として扱われています。
西洋風の華やかで大輪の薔薇に比べると、庚申薔薇はどこか素朴で楚々とした風情を漂わせています。そのため、古い日本家屋の生垣や寺社の庭、土塀といった、落ち着いた和の景観によく馴染みます。詠む際には、花の可憐な赤や桃色を捉えるだけでなく、「庚申」という言葉が持つ歴史や時間の巡り、日々の暮らしに寄り添う穏やかな春の気配を重ね合わせると、奥行きのある句に仕上がります。
・土塀(どべい)、板塀(いたべい)、小窓(こまど)[無季] ・春日(かすが・はるひ)、春雨(はるさめ)、うららか[春] ・古庭(ふるにわ)、石畳(いしだたみ)、白壁(しらかべ)[無季]