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「去年の雪(こぞのゆき)」とは、年を越して春を迎えてもなお解けずに残っている雪のことです。「去年(こぞ)」とは昨年のことを指します。旧暦の時代では新年とともに春が訪れたため、新しい年になっても日陰や山肌などにひっそりと残る冬の雪を、親しみや哀愁を込めてこう呼びました。単なる「残雪」や「雪」とは異なり、過ぎ去った昨年の日々に思いを馳せる、時間への深い感慨が込められた春の季語です。
新しく始まった春の光や空気と、過去の冬の記憶を留めている「去年の雪」との対比を描き出すと、句に深みが生まれます。雪が今どこにあるのか(軒下、北側の斜面、木立の根元など)を具体的に捉えつつ、解けゆく雪に重ねて時の流れや人の移ろいやすさ、あるいは懐旧の思いを滲ませて詠むのが効果的です。雪の冷たさや静けさを、春の暖かな兆しと響き合わせるように言葉を選んでみましょう。
・北の山、山影、木立の根方(雪が残る場所を表す無季の語) ・軒端、岩肌(雪のありかを具体化する無季の語) ・名残、あわい、かすか(時の経過や情緒を添える無季の語) ・春光、日永、春の風(新春の訪れを強調する春の季語)